【奥秩父主脈縦走】渋すぎる雪の主脈、踏み跡一番乗りの年末年始!【未完遂】1/2
2019年を振り返る方々が多い中、怠惰な私は記事を書く時間が少ないので、書けるモチベのあるものをモチベのあるうちに書くしかない!!
という思いがあったので、今回は年末年始の山行についての記録になります。
皆さんは年越し山行はどちらに行かれましたでしょうか?
華やかなところだと燕山荘や西穂山荘などに登った方もいるのではないでしょうか?
八ヶ岳なんかも割と小屋やってたりで、とても楽しくわいわい年越しができそうですよね。
そんな山域には目もくれず、2019年の年越し山行の主戦場として白羽の矢がたったのは、
奥秩父
え、なんで奥秩父……??
渋すぎない……??
という御意見もあるかと思います。
かねてより奥秩父主脈縦走に興味があり、金峰山から雲取山まで歩き倒したいなぁと思っていたのですが、厳冬期での奥秩父主脈縦走はかなりの時間がかかります。
(今年は雪が少ないおじさんによると、この時期の積雪量が厳冬期に該当するか怪しいとのことです)
いつか厳冬期奥秩父主脈縦走もやり遂げてみたいところではありますが、まずは歩いてみないことにはどうにもこうにも状況がよく分からない……。
というわけで、3泊4日で行けるところまで行ってみることになりました。
ルート概要
まずはこちら。
今回の縦走が終了した時点でのログとなっております。
奥秩父主脈と言えば、分水嶺トレイルのルートともなっている奥多摩駅から雲取山を経由し、笠取山、甲武信ヶ岳、国師ヶ岳、金峰山とつながる縦走路です。
みずがき山荘からスタートして、雁坂峠から下山していることがわかるかと思います。
ここまでで3泊4日かかっているのですが、夏ならばありえないと思われます。
(夏場であれば全行程を3泊4日で遂行可能。トレランであればなおのこと短縮可能)
今回の行程は下記のようになりました。
1日目:みずがき山荘~富士見平小屋~金峰山小屋
2日目:金峰山小屋~金峰山~朝日岳~大弛峠~北奥千丈岳~国師ヶ岳~国師のタル
4日目:破風山避難小屋~破風山~雁坂嶺~雁坂峠~黒岩~豆焼橋
辛すぎて写真が抜け落ちているところもありますが、
この時期の奥秩父主脈の記録として、ぜひ最後までお付き合いいただきたいです。
DAY1:みずがき山荘~金峰山小屋
東へ抜けていく縦走となるので車の使用は不可。公共交通機関で韮崎駅までアクセスし、そこからタクシーでみずがき山荘へ。
09:54、行動開始。
まずは富士見平小屋を目指します。
DAY1となるこの日は終日うっすらと雪予報。
韮崎駅では特に降ってはいなかったのですが、
みずがき山荘についた段階ではちらほらと雪が降り始めておりました。
本日の目的地は金峰山小屋。
アクセスの関係でスタート時刻が遅めとなるので、
今回の縦走には瑞牆山は含まれておりません。ほんとは行きたかった。。
結構早い段階で少し展望が開け、雪雲に霞む瑞牆山が姿を現しました。
ここからの瑞牆山はネット上で調べてもたくさん写真が出てきたので
おお、ここなのかとなりましたが、
やっぱり自分の目で見てみると遠目でも迫力があるというか
やっぱり写真では限界のある実地の雰囲気があるなぁと思惟。
10:45、富士見平小屋。ほぼコースタイム通りです。
20kgくらいはあるので、まあこんなもんでしょう。
旗やメニュー看板は立ってますが、営業はしていません。。
歩き始めたばかりなので、さっさと進みます。
この辺はまだまだトレースがしっかりしてますね。
ちょいちょいパウダー気味の雪なので、この辺はまだツボ足で歩いてた気がします。
でっか。
いきなりこんな感じの岩々している感じになるので、歩いていて非常に楽しい。
お昼前には大日小屋に到着。
下にある小屋を見遣ると、何やら人影が。
エスパースのテントも張ってあったので、それなりに人は入っているようです。
大日小屋からさらに一時間ちょっと樹林帯を進むと、また岩場が出てきました。
砂払いの頭と呼ばれる場所のようで、ここからは稜線通しの登山道になります。
瑞牆山ほどではないにしても、ここからの道は巨岩奇岩の連続。
稜線に出たことによって風も強まり、冬山の空気感が出てきました。
聞こえる音は風の音のみ。
風が冷たいのでハードシェルのフードを被り、先に進みます。
14:32、金峰山小屋に到着。
初日にもう少し距離を稼いでおきたいところではありますが、
スタート時間やビバーク地の兼ね合いもあり、今日はここで素泊まりです。
ザックやアイゼンの雪を落とし中へ入ると、人はまばら。
単独行っぽい方が1名、山小屋関係者と思われるグループが1組
酒盛りを始めていました。
本日12/30は唯一の同行者がなんと誕生日ということもあり、
受付でそのことを話したらよくそんな日に来たもんだねえ、とひと盛り上がり。
手続きを済ませ、やっとこさザックを下ろします。
小屋の中は広すぎることもなく、かといって全然狭くもなく、
人もまばらだったのでかなり快適な時間となりました。
サービスで置いてあったコーヒー・紅茶・昆布茶があったのですが、
この昆布茶の粉末がめちゃめちゃにうまい。
朝出発する前までに10杯は飲んでいた気がします(笑)
照明の和紙が可愛い。
DAY2:金峰山小屋~国師のタル
日の出前。
空が白み始めたころ、いざ出発です。
山頂までの道をほぼ直登。朝のウォーミングアップにはちょうどいい感じです。
山で見る朝焼けのグラデーション、どんなところから見ても心を打たれます。
06:48、金峰山山頂に到着。
あれが噂に聞く五丈岩か。。思った数倍でかかった。
日の出が出そうででない。
北側からガスが絶えず上がってきており、寒い中どうしようかとなってくる。
昨日の山小屋関係者の方も山頂にいらっしゃったので、少しおしゃべりしながら過ごしていると、、、、
お??
雲取れた~~~~!!!!!
2019年最後の朝日!!!最高!!!
この瞬間、
あぁ、山やっててよかった!
って心の底から思えて、少し涙が出ました。
朝日に照らされる五丈岩。
フリーで登るには僕にはちょっと危なすぎるので今回は見るだけ。
夏にでも来たら登ってみようかな。
小屋の人の話では、ここから先甲武信までノートレースとのこと。
こんな最高のコンディションの中、自分たちでトレースを引いていけるという
この上ない贅沢。
完全ノートレースの場所を進むのは初めてだったので、この行為にここまでの興奮があるとは思いもしませんでした。。。
後ろを振り返ると自分たちの足跡のみ。
富士山も顔を覗かせています。
この吹きっさらしの稜線は埋まっても脛下くらいの積雪量。
思ったより少ないなぁと思ったのつかの間、そんなことも言ってられなくなるのです。
吹き溜まりの積雪に苦労したり。
ラッセル跡。登りになるとほんとにきつい。
この辺は常時膝ラッセル。腰じゃないだけましなのかな。
樹氷はほんときれい。
午前九時前、朝日岳にとーちゃく。
山の看板や標柱ってなんだか味があってつい写真に収めてしまいます。
おそらく山小屋の人たちが設置したであろう、手作り感あふれてる看板みかけると
ほっこりしますね。
樹林帯のはずなんですが、ときどきこういう縞枯れっぽい地帯が出てきます。
展望が抜けて気持ちいい反面、強風が吹くと木についてるエビのしっぽが降ってきてちょっと痛い。。
朝日峠まで下ってきました。振り返って一枚。
相変わらず積雪は常に脛~膝くらい。だんだん慣れてきた気がします。
遊び心。
この辺まで来ると、本日のセーブポイントが見えてきます。
すなわち、人の営み。下界への誘惑。
10:54、大弛峠に到着。
舗装路のはずですが、全面足首より上くらいの雪が敷き詰められています。
小休憩を取ります。
樹林帯の雪は結構ずっぼずっぼ潜るんですが、風もそんなに強く吹かないし、
誰もいないこんなところを一歩一歩踏みしめて歩くのが幸せです。
ザックは相も変わらず重いけど。。。
その後も順調に進み、前国師岳、ザックデポって北奥千丈岳、国師ヶ岳まで来ることができました。
この日の行動終了は15時ごろ。
国師のコルにて積雪の上に幕営。ペグダウンはほぼなしで、できる限り周りの重い倒木に細引きで固定。
水場はないので、できる限りきれいなところを探して雪から水を作りました。
残念ながら写真を撮っていないのが悔やまれます。。。
ちなみに、そのまま飲むのもあれなので、ぬるま湯くらいまで融かした雪を携帯浄水器にかけてプラティパスヘ補充しておりました。
①雪を融かす
↓
②小さめの水入れ(ソーヤーミニに付属)に移し替え、浄水器をつける
↓
③プラティパスヘ浄水を詰め替え
というプロセスを経て水を作ったのですが、ソーヤーミニに付属している水入れがあんまり容量がないせいで、何度も②③をする羽目になり、指先がとても冷たかった。
一気に浄水にするために、予備として2Lの詰め替え用のプラティパスも持っておいた方が効率が良かったなと反省。何事も実践。
しかしこのソーヤーミニ、翌日またトラブルが発生します。
長くなってしまいそうなので、今回はここまで。
次回は2020年のスタートからです。
では。