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登山や旅行、たまに動画編集をつらつらと。

【DAY3】憧れの地!!西鎌尾根から最後の秘境へ【槍ヶ岳〜雲ノ平】

どうしてそんな面白い日本語が思いつくのか、と
他の方のブログを見て指を咥えています。和泉です。

前回はDAY2、大天井岳から槍ヶ岳までの山行を振り返りました。
今回はその続きでDAY3、深夜の槍ヶ岳からスタートします。

前回の記事を見てないよ!って方はこちらから。

izumiyama.hatenablog.com


中房温泉を発ってから2日、表銀座縦走とするのであれば
本日は最終日となり、槍沢から高度を落とし上高地へと向かうことになります。

ですが今回の山旅はまだまだ終わりません!

槍ヶ岳を横にぶち抜く尾根、2日目は東鎌尾根を歩いてきましたが、
西鎌尾根に足を踏み入れさらに西へ西へと進みます。


双六岳・三俣蓮華岳を通過し三俣山荘、その後鷲羽岳・ワリモ岳へと登り返す形
で北上。
ワリモ北分岐から西に進路を取り、本日最終目的地は雲ノ平です。


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DAY3の軌跡

コースタイム12時間越え(山と高原地図)のこのコース、いくらロングコースを歩くとはいえ、
いつも山荘には15時までには着くように設定するので、必然的に早出することになります。

午前3時出発でCT約12時間、丁度15時頃に雲ノ平山荘へ到着する計画です。

午前3時前に出発し、実際に雲ノ平山荘へたどり着いたのは12:43。
CT比0.82ほどで行動することができましたが、
これが身体的にどう影響するか。足や肩、腰の状態はどうなってしまったのか。

それでは見てみましょう。

槍ヶ岳からの出立

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02:47 槍ヶ岳山荘前。
昨日までのピーカンで見えていた槍の穂先は、槍ヶ岳山荘からでも見えないほど
に霧に覆われていました。

ちなみに昨日テン場で待ち合わせたにっけるさんとあたりさんは、昨日のうちに
槍ヶ岳山頂には立っていなかったので、この日の早朝山頂まで行ったそうです。

景色は一面の白、白、白だったそうで。。。
なんででしょうね。。。


ヘッデンをつけて、西鎌尾根に足を踏み入れます。
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最初は槍ヶ岳から千丈乗越まで約300m以上下りです。
遠くの山腹や稜線上へ目をやると、
所々でヘッデンの明かりが瞬いているのが分かります。

あんたの光は見えてるぞ、こっちの光は届いてるかな?
お互い良い山にしようぜ、とか心の中で思ってるんですが、僕だけでしょうか。

月明かりの照らす中、ピンと張った空気を吸い込み一人稜線上を歩くあの瞬間。
それを時を同じくしてやっている人を見つけたらもう仲間も同然な気持ちなんで
すよね。

あぁ、えもーしょなる。

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左俣岳を通過して硫黄乗越に下ります。
時刻は04:46、硫黄乗越に到着したところで本日初の第一山人発見。

僕と同じく単独行の人でしたが、双六小屋から歩いてきたそうです。
どこからきて、どこへ向かう。お気をつけて。
そんな最低限の会話をして、それぞれの山に戻ります。



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05:21 樅沢岳山頂。
霧の中にいきなり姿を現した急登を登って、また下ります。


こんなモイスチャーな感じなので、止まってるだけでも髪が濡れます。



そういえば今日は縦走3日目。

そろそろお風呂が恋しくなってくる頃ですが、

もう髪が濡れすぎてて実質シャワー。


水も滴る跡部様よろしく、前髪をかきあげながら

「ッああ……!!!」

とか言って山を歩いていたので、
すれ違った方はさぞ驚かれたことでしょう。その節は失礼いたしました。
テニプリオタクの皆さま、失礼いたしました。)



05:39には双六小屋へ到着。
写真はスマホでは撮っておらず割愛。すまねえ。

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そんなこんなで天然のシャワー浴びて「俺様の美技に酔いな」歩きをしていると、
こんな稜線になってきました。


だだっ広い尾根や稜線、めっちゃ好きです。
こういう場所には大抵、ホワイトアウト時にも迷わないように
ケルンが積み上がってたりしますね。


ケルンの積まれ方を見て、
「やるじゃん」とか「まだ攻めれる」とかわけわからんこと
評しながらとぼとぼ歩きます。



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06:34 双六岳到着。

爆風とまではいかないですが、結構な風が吹いていて
止まってると風邪引きそうなので次々。


双六岳までの道はマジでええやんのかたまりだったので、
裏銀座縦走でもしてまた晴れてる時に来たいです。


楽園、姿を現す

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三俣蓮華岳に行く稜線から槍ヶ岳方面。
ずいぶん遠くまで来たもんです。


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07:31 三俣蓮華岳到着。

双六小屋から来た人や、三俣山荘から来た人で割と賑わっておりました。
やっと晴れた!!ので景色を堪能します。


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正面は鷲羽岳。三俣山荘まで下ってからの急登が待っています。


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……見えました。雲ノ平。
画像左側の平たくなっている場所が、日本最後の秘境と謳われるまさにその場所です。


奥には薬師岳も見えています。ご立派な山体だぁ……。


三俣蓮華岳山頂でお話ししたご夫婦の旦那さんが
「ここが僕の百名山」って言ってたのですが、
ほんとに何故二百名山なのか分からないほど景色も良かったのです。


深田久弥はもうちょっとちゃんと山を選んだ方がいい」とか言って
しばらく楽しくお話しさせていただきました。ありがとう!!


ご夫婦が優雅にコーヒーを入れ始めたので、そろそろお腹がすいてきた僕は
三俣山荘まで下ります。


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下から見た三俣蓮華岳。う~ん、かっこいい。


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08:17 三俣山荘に到着しました。
レストランは空いてないので、山荘前のテーブル借りて朝ご飯です。


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ホワイトシチューとアルファ米。この組み合わせとても便利で、
またテント泊するときにはやろうと思いました。


楽園は遠く、空は移り気

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三俣山荘、またお世話になるときが来るでしょう。
鷲羽に向かいます。


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鷲羽岳を登り始めて数十分、おわかりでしょうか。
画面中央のかわいい子。


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コジョ太!!!コジョ太じゃんかぁ~~!!


足を止めて、計5分ほど。
自分の周りをちょろちょろと走り回ってくれました!!


か、かわいい~~~~!!




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人生初のオコジョとの邂逅。
雷鳥よりもレアと聞いていましたが、やっと会うことができました。

こんなかわいい顔して、肉食っていうぎゃっぷ。。。たまりません。。。

今度は冬山で白いオコジョに会いたいものです。




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10:00頃、鷲羽岳山頂に到着!!

ガスが山頂付近を漂っており、鷲羽池は見えず。。


山頂で晴れを待っている人、今日高天原温泉に向かう人、三俣山荘に泊まる人。
山頂にいたのは3人でした。


少しそれぞれの山行の話をして、それぞれが違う方向に。
こんな一期一会がたまらなく好きです。



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さて、鷲羽から一度下り、ワリモ岳への登りから振り返って1枚。

山頂であった人は1時間は粘っていると言っていましたが、
この調子だと厳しそうな感じ。その後が気になります。



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ワリモ岳まで来ました。向かう先の景観。最&高。


正面には祖父岳(じいだけ)が見えています。
せっかくなのでピークを巻かずに、祖父岳を踏んでから雲ノ平へ。



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ワリモ北分岐。
鷲羽の山頂で会った方にここで追いつきました。


その方はこのまま水晶岳を経て、温泉沢の頭から温泉沢を下り高天原へ向かうとのこと。


雲上の温泉、いつか行ってみたい!!
行ってみたい場所がどんどん増えていくのも、山の楽しみの一つですね!


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祖父岳方面。今日のゴールが着々と近づいています。


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疲れと共に、だんだん写真が減ってきます(笑)
疲れた時こそ、写真を撮れるような体力をつけたいものです。


雲ノ平山荘へ到着

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雲ノ平山荘のご飯


山荘の写真を撮る余裕もなく、即飯をいただきます。


14:00までに到着できれば、アップルパイを食べることができると聞いたので
急いでやってきました。


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アップルパイとコーヒーのセット。


このアップルパイがめちゃくちゃにおいしい。


シナモンが良く効いてて、甘さが疲れた体に沁み込みます。
ホットコーヒーで一息つく、穏やかな時間です。


この日雲ノ平はほぼ全面霧に覆われており、先程登っていた祖父岳も
雲ノ平山荘に着いた頃にはすっかり見えなくなっておりました。


知らんおっちゃんと山談義を楽しんだ後、15分ほど歩いてテン場に戻ります。


そう、この雲ノ平のちょっと残念なところは、
山荘とテン場がクソほど離れている(当社比)
ことなのです。


こんなに疲れていなければ、そう遠く感じないのでしょうが
ホワイトアウト寸前の霧に包まれ、テン場までの木道がやけに長く感じました。

今日はこれにて終了です。長い長い1日が終わりました。

明日はどうなる……。。



DAY4へ続く……。