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登山や旅行、たまに動画編集をつらつらと。

【志賀高原】名前がめっちゃかっこよかったからトレランレースに出てみた(2/2)【エクストリームトレイル】

 

名前がかっこいいからという小学生みたいな理由で参加を決めた

志賀高原エクストリームトレイル。

 

前回は現地入りまでの簡単なご紹介でしたが、

本記事では初心者ながらがっつり解説とレポしていきたいと思います。

 

前回記事はこちら↓

 

izumiyama.hatenablog.com

 

トレランの大会について

 

山道を走るトレイルラン。

首都圏ですと高尾陣馬間はかなりトレランしている人がいますね。

 

最近ツイッターでも話題になってましたが、一般登山道で個人でトレランする場合は

・他の登山者に対して

・植生に対して

配慮が必要だと思っています。

 

この手の問題は「自分がやられたらどう思うか」って考えればいいんじゃないのってのに尽きると思うのでここでは言及しません。

 

トレランが大会となっている場合、NPO法人自治体を巻き込んだ実行委員会が開催主体となっていることが多いです。

 

レースによっては参加条件が付いていることもしばしばで、

エントリーにはRUNNET等別途エントリーサイトで行います。

 

今回の志賀高原エクストリームトレイル・ロング54kmに出場するにあたって、

僕参加したトレランの大会はこれが初めてではありません。

 

今年の4月に、東丹沢宮ケ瀬トレイルレース32kmに出場していました。

普段習慣的に走ってない人間がいきなり54km出るとさすがにやばいので、先に刻むことにしてたのでした。

 

この時はトレランがどんなもんなのかってのを知るためのレースだったので、

自分がこういう距離を走ると体がどういう状態になるか、よく知ることができました。

 

そんなわけで人生2回目のレース、エクストリームにやってやろうと思い出場しました。

目標は完走です。とりあえず、完走。

 

 

エクストリームを始めよう!!

 

 レース当日、朝5時前。

 

 スタート位置には続々と週末エクストリーマーが集まってきます。

 

スタート位置には、空気の入ったゲートが大体あるもんです。

今回もこんな感じのゲートがスタート位置にあったそうです。

こういうやつが。 

 

 

あったそうです。

 

……過去形?

 

スタート位置にて、アナウンスが聞こえています。

 

 

 

アナウンス「ゲートは強風で裂け飛んでしまいました!!

      これぞエクストリーム!!」

 

 

 

いやいや。

 

 

言ってる場合かw

 

 

そんなわけで、写真には写らないゲートをくぐり

54km、もとい実測56kmのトレイルランが幕を開けました。

 

 

 

スタート~第1エイド(約17km地点)

 

スタートはスキー場のゲレンデの下部。

ここから標高を約500m一気に上げ、横手山をめざします。

 

 

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横手山手前で北上するコースに切り替わる。

 

50分くらいで一度平坦な道へ。

 

 

この周辺から風がかなり強くなっており、

ここにたどり着く前の岩場では耐風姿勢を取ってしまうほどの

暴風雨のような状態を通過。

 

初っ端からエクストリームすぎるだろ……。

と思わずこぼしながら走っていきます。

 

でもすぐにこの絶景!!

 

この辺はほんとに走っていて気持ちのいい場所でした。

 

 

しれっと書いてありましたが、

第1エイドまで17km、何もありません。遠すぎ。。。

 

この距離設定がかなりの難関というか、

第1エイドまでの補給をどうするかということをめちゃめちゃ考えました。

 

大体、5km毎にジェル系を1つ摂取する計算で11個持ってこようと思ったのですが

明らかに多い気がすると思ったり。

 

それでも、トレランとはいえ山に入っていて食料を持ちすぎるということはないという謎のお告げがあり、11個持って行きました。

 

走り始めて「あ、やっぱこれは余らすやつだ」となり、

結局第1エイドまでにあえて4つ消費しました。

 

そしてエイドでの食事で固形物を意識的にがっつく。

シャリバテにならなければペースはどうあれ前に進むことができるのは

今までのテン泊縦走などから何となくわかっていたので、意識的に。

 

エイドの食料に頼りすぎるのは、山をやっている人間としてどうなんだ

って思わないこともないんですが、とりあえず完走するためにあるものは使います。

(2023/6追記:TJARとかにかぶれ過ぎ。頼むから普通にありがたく食っててください当時の俺)

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第1エイドから少し進んだところで振り返ってぱしゃり。


 第1エイド(約17km地点)~第2エイド(約26km地点)

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 第2エイドは第1エイドから焼額山を登りさらに下って行った先の

志賀高原駐車場。

約26km地点となり、距離だけで言うならほぼほぼ折り返し地点です。

 

しかしこのレース、ゲレンデの激登り・激下りがめちゃめちゃ多い。

 

 少し山道に入って落ち着くなぁと走っていると視界が開け、すぐゲレンデへ。

歩き慣れない道の攻略に四苦八苦します。

 

そして焼額山への登りに近づいていたとき、やってしまいました。

 

ゲレンデをトラバースするのが本来の正しいコースにもかかわらず、

何を見間違えたのかゲレンデを下ってしまいました。

 ある程度後ろにもついて来ている人がおり、誤ったコース取りでその人たちもコースから外れた方に誘導する形になってしまったのです。。

 

一緒にいた方からは「私も自分でちゃんと判断できてなかったのが悪いから、そんなに気にしなくていいよ」と言って頂けましたが、これは痛恨のミス。

100mくらい登り返し、正規ルートに復帰しました。

おそらく、登山道を示す矢印看板の方向を何らかの要因で見間違えたのだと思われますが、はっきりとした原因は不明。

 

あの時巻き込んでしまった方、この場を借りてお詫びします。

ごめんなさい。。

 

もっとしっかりしなくては、と気を引き締め走り始めます。

 

 

第2エイドではレース中初めての関門が設定されており、

関門時刻は14時。スタートから9時間経過した時間となります。

 自分が第2エイドに到着した時刻は午前9時50分頃。

スタートから約5時間が経過しています。

 

貼り出されてる案内には25km地点とあります。この辺はブレが生じてますね。

 

エイドで摂取可能な固形物ですが、覚えてるのだと饅頭、バナナ、ポテチなどがあったと思います。基本的にはバナナをむさぼりつつ、饅頭を食べたらドリンクで流し込んで出発、みたいなことをしていました。

エイドでのドリンク提供時、環境面の配慮から本大会ではマイカップの持参を求められていますので、持参していたナルゲンにコーラを貰って飲み干します。

1日のコーラ摂取量は人生でいちばん多かったのではないでしょうか(エイドでの水分補給はほぼ全てコーラだった)。

水をハイドレーションのタンクに補充して出発します。

 

第2エイド(約26km地点)~第3エイド(約40km地点)

 

 

 

第2エイドの奥志賀高原駐車場から熟平までは、しばらくロードが続きます。

今回の志賀高原では第2エイド~第3エイド間の紅葉が一番きれいな区間
お昼時は天候も回復していたので、陽に透ける赤・黄・緑が美しい。

 

今までのゲレンデ激登り・激下りから解放され、
「やっとロードだ……」というトレランでは珍しい感想を抱きます。

 

30kmを過ぎたあたり、丁度熟平まで到達しトレイルに復帰した段階で
膝に痛みが走り始めました。ランナー膝。別名腸脛靭帯炎という、膝の外側を支えている腸脛靭帯に炎症が起こり、痛みが発生するアレです。
東丹沢宮ケ瀬トレイルレースで発症してしばらくは大丈夫だったのですが、
やはり一定以上の距離を走ると突然痛みが出てくるみたいです。

ペースがガクンと落ちるも、痛みが少ない走り方を模索しながら進みます。

 

かかとから着地するヒールストライク走法という日本人の体格であれば
結構な人がこの接地方法で走っているみたいですが、僕もそうです。

 

そのせいなのか、かかとにもダメージが出始めてきたので
途中からはつま先の付け根あたりで接地するフォアフットに切り替えたりして
だましだまし走ってました。

 

フォアフットは習得に練習が必要なようで、
特に専門でもなんでもない僕みたいな人ができるもんでもないですが
痛みを回避するためにとにかくかかとが接地しないように走ってました。

 

不幸中の幸いなのか、この志賀高原のトレイルは水はけが悪く
もう膝下は全部泥まみれになるほどの泥濘コースが多数。
靴の中まで泥浸しな状態なので、あまり衝撃による負担はなし。

 

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鮮やかな紅葉。


熟平からの折り返し部分のトレイルは、おそらく本大会で1番平坦な個所になります。

僕よりも全然年上の方々が、平然と追い抜いていきます。


正直めちゃめちゃ悔しい。

いや、ロングトレイルの練習とか月100kmも走れてなかったので
当然と言えば当然なのですが。


紅葉に落ちる木漏れ日と、地獄のような形相で小走りする僕。

その対比があまりにも滑稽な、苦しいトレイルが続きます。

 

 

 第1エイドでもあるダイヤモンドスキー場へ戻ってきました。

 

八の字を描くコースで、ここからは既にスタートしているミドルの部のランナーたちをと同じルートでスタートまで戻ることになります。

 

ミドルの人に抜かれると

 

 

「俺はもっと走ってるから……ゆるして……ユルシテ……アッ、サキドウゾ」

 

 

って感じになります。

 

(2023/6追記:イキるな)

 

 

 

第3エイド(約40km地点)~第4エイド(約45km地点)

 

なんと、第3エイドから第4エイドである蓮池駐車場までたったの5kmしかありません。

 

行けるやん!!

って気になるんですが、これまたつらい道になっておりました。

 

ほとんどが人ひとりやっと走れるかなっていう道幅で

斜面をトラバースし続けるルートです。

 

木の根がこれでもかというほど突き出ており、

斜面なので滑落注意個所がいくつもある地味に嫌な道。

 

個人的には

このレースの中でこの5kmが一番きつかったと思います。

 

当然、写真なんか撮ってる余裕もありません。

 

さらに追い打ちをかけるのは、終盤にきて2つの大きなゲレンデ激登り。

 

その1つであるジャイアントスキー場の登りをクリアすれば、エイドが待っています。

https://shigakogen.co.jp/highlight/giant

写真はないので、ジャイアントスキー場がどんな感じかっていうのは上記URLから。

 

やっとの思いで第4エイドへとたどり着きました。

最終エイドなので、たらふく食べてラストスパートに備えます。

(2023/6追記:エイドの食料に頼る気分はどうですか……ねぇ…)

 

第4エイド(約45km地点)~ゴール・横手山スキー場

 

第4エイドで補給をしていると、急に雨が降ってきました。

急いでレインウェアを羽織り、出発します。

 

ですがこの雨、次第にどんどん強まっていきまして

最終的にはゴールするときまで何だかんだ降ってました。

 

土砂降り+足の痛みで、完全に小走りから早歩きへ移行。

体力と筋力のなさがうかがえます。

 

最後のゲレンデ登り、サンバレースキー場

https://shigakogen.co.jp/highlight/sunvalley

ここを腕を組みながらまるで歩荷のような足取りで登っていきます。

 

 

 

背負ってるのは7Lのザックなのに。

 

 

サンバレーを超えると、つるつる滑る木道を延々と歩かされ、

もはや気力だけで動いているような状態に。

残り10kmが果てしなく遠い。

もうリタイアしたい、そんな思いが何度も何度も頭をよぎっては、

気合で自分を奮い立たせて、足を前へ前へと進めます。

 

なんでこんなつらい思いをしないといけないのか。

豪雨、ゲレンデ激登り・激下り、脛まで浸かる泥沼の登山道、滑る木道。。。

 

「エクストリームトレイル」

 

という名に恥じない、

というか運営側の想定してるエクストリーム度を超えている気がする、

そんなレースです。

 

最後、後ろから追い上げてきた人の気配を感じ、

ここだけは負けてはいけないと全力ダッシュ

 

なんとか、完走することができました。

 

 

 

 

志賀高原エクストリームトレイル

 

ここまでのぐだぐだレポートを読んでいただきありがとうございます。

 

ただの山ハイカーでも完走できるんだ!!っていう喜びと

もっともっと山での体力・持久力ってものをつけなきゃ!という焦りを感じた

めちゃめちゃにつらいレースでした。

 

自分の糧になった部分はかなりあります。

 

それは走ってる時の感覚的な部分だったり、

補給をしてから体にどう効いてくるかという部分だったり、

晴れと悪天候がすぐ入れ替わるときのレイヤリングのことだったり。

 

これから山の色んなスタイルを楽しんでいきたいし、

岳の三歩さんみたいに山を自由に駆け回っているような人になりたい。

 

ひたすらに経験と実績を積み重ねて、技術も磨き、

その上で何があっても笑ってられるような山屋でいたいなと思ってます。

 

もし、この記事を読んでみて

まだ自分が手を出してない山のスタイルがあって、少し興味はあるけど、、

って人がいたら是非チャレンジしてほしいです。

その気持ちの一助になれればすごくうれしいです。

 

それでは、また次の山で。

 

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